この話は、実際に相談を受けた話である。
ここ近年、離婚調停をして離婚するケースが増えている。
調停は、裁判所で手続きをすれば、誰でもできてしまう。
だが、実際にはここに落とし穴あるのです。
最近は、お金が掛る為、弁護士を入れずに当人同士で調停で話し合いで解決してしまい、実際は解決していなかったという事が増えているのです。
さて、どんな話かと言いますと・・・
早朝に事務所の電話が鳴った。
出てると女性からの電話だった。
話を聞いていくと、どうも弁護士事務所と勘違いして掛けてきていた。
とりあえず、「探偵事務所」と伝えると怯えた声で、「探偵」でも良いので話聞いて欲しいと言われ女性に事務所に来てもらい話を聞いた。
(以下Aさんと記す)
話を聞くと・・・
離婚した元夫からの電話、メール、LINEなどのでの脅迫めいた事が毎日あると言うのだ。
内容は、子供の養育費の支払いについてのことなのだ。
Aさんは、経緯を話し始めた。
Aさんは、元夫のDV(ドメステックバイオレンス)で、シェルターに子供共に保護され、離婚調停を裁判所に申し立てた
さて、ここから問題なのである。
調停を申し立てた後、実家に帰りたい一心でシェルター一週間で出たというのだ。
調停が始まり、調停での話し合いの結果、ただ「離婚」というだけが決まり養育費など取り決めがされなかった。
どうしても母子家庭のため、お金が必要になる。
その為、元夫に連絡したことが今回のトラブルの原因なのだ。
養育費の話をすると、「通話履歴を見せろ」と言うのだ。
なぜ、通話履歴が必要なのか質問すると・・・
DVについて元夫の弟に相談し、離婚後も養育費について相談しているというのだ。
となれば・・・元夫は弟との「浮気」疑って、離婚に至ったと思っているようなのだ。
当事務所に相談に来た前夜か翌早朝にかけては、特に電話、メール、LINEが続き怖くなって電話をしたとのことだった。
私も離婚調停、裁判と4年弱も行った経験があり、話の内容が良くわかった。
その為、弁護士会の名簿を渡し、弁護士に相談する様に勧めたが、Aさんは事務所へ来た時から怖さのあまり震えていた。
Aさんに「弁護士探せますか?」と聞くと「怖くて出来ません。」と返答が返ってきた。
朝、まだ早かったが、私がお世話になっている弁護士の携帯に電話してみると、早朝にもかかわらず電話に出てくれた。
事情を話すと・・・「直ぐに、弁護士事務所に来るように」と言ってくれた。
Aさんに場所を教えたが、「とにかく元夫が怖くて行く事が出来ない」と言うので弁護士事務所まで同行した。
Aさんは、弁護士に経緯をすべて話、その場で、元夫への送る書類作成し、Aさんに確認して電話で代理弁護士になったことを伝え、法律上の話を元夫にし、一切Aさんへの連絡はしてはならないと伝え、代理弁護士のところに連絡するように伝えた。
また、Aさんは、弁護士より・・・
元夫の弟に連絡を取らない
携帯電話に電話があっても電話に出ないか番号を変える。
メール、LINEが来ても返信しない。
元夫が何かしらの事をして来た場合は、弁護士に連絡する。
などとアドバイスされた。
実際、通話履歴を見せなければ養育費を払わない良いということはないのです。
現在、調停が始まっている。
今回のこの出来事を弁護士に聞いてみた。
これは当人同士で行う調停の落とし穴だと言うのだ。
調停には調停委員が2名おり双方の話を聞いてまとめるのだが、実際のところ裁判所は、裁判まで持ち込みたくない為、調停で話をまとめようとするため、当人同士では「離婚」のみが成立し養育費、慰謝料まで話にならないことが多いということなのです。
弁護士いわく、お金が掛るが、法律に精通している弁護士にお願いして、しっかり取り決めをすれば調停でも十分な結果は得られ、調停取り決めたことは、裁判の判決と同等の効力があるということなのです。
自分で調停が、出来る内容かを、一度、弁護士に相談した方が良いということだった。