神戸港に運ばれたコンテナに殺人アリが!?恐るべき猛毒と繁殖力を持つヒアリとは?

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6月13日、中国広州市から神戸市中央区の神戸港に到着した貨物船のコンテナの中に、南米に生息する有毒の蟻「ヒアリ」が大量にいたことが環境省の発表で判明しました。
日本でこのヒアリが確認されたのは初めてのことだそうです。

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同省によると、コンテナは5月20日に神戸港に到着し、5月26日に兵庫県尼崎市内で積み荷を取り出す際に蟻が見つかり、鑑定の結果、6月9日にヒアリだと判明したとのこと。
見つかったヒアリは殺処分されたと報道されていますが、生きた個体が逃げ出した可能性は十分に考えられます。

 

たかがアリではないヒアリの恐ろしさ

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ヒアリは凶暴で攻撃的な性格を持つ上に猛毒の針を持ち、刺されると火傷のような激しい痛みに襲われます。また、アナフィラキシーショック(※急性の全身且つ重度なI型アレルギー反応)を起こし、死に至ることもある恐ろしいアリで、実際にアメリカでは年間8万人以上の人がヒアリに刺されており、うち100人以上の人がアナフィラキシーショックで亡くなっているという統計があることからも「殺人アリ」の異名があることにも納得です。当然、他のアリと同様にヒアリも社会性昆虫であり、群れで獲物や天敵を襲うだけでなく、一つの群れに約10匹の女王アリがおり、1日に2千~3千個の卵を産むなど非常に繁殖力が高く、もし日本に定着した場合、大変な被害を与えるでしょう。

 

ヒアリが日本に定着する可能性は決して低くない

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(神戸港などの貿易港からヒアリが日本に侵入する可能性がある)

今回日本で初めて確認されたヒアリですが、今回のような事態は専門家の方々の間では数年前から確実に起こるであろうと予想されていました。
元々は南米の熱帯雨林にしか生息していなかったヒアリが、今では北アメリカやオーストラリア、中国、台湾などにも生息しているのは貿易等の物資の移動の際に、積み荷に紛れ込んだ個体がその土地で繁殖したからです。
TPPが始まれば今よりも貿易が盛んになりますし、そうでなくても日本は食糧自給率が低く、殆どを外国からの輸入に依存しているので、現実的にヒアリの侵入を完全に防ぐことは困難だと思われます。

ヒアリの見分け方と対処法

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ヒアリは体調2,5㎜~6㎜程と日本に現存するアリよりも特別大きいわけではありませんが、体色が赤茶色と特徴的なので見分けるとするならば、色で判断するのが良いかもしれません。
ヒアリに噛まれた場合は上述のように火傷のような痛みや呼吸困難、最悪の場合は死に至ることもありますが、これらの症状には個人差があるようなので、刺された場合は安静にし、容体に急な変化があればすぐに医療機関に駆け付けるのが賢明かと思われます。

如何だったでしょうか?
日本で人を死に至らしめる程の毒を持つ昆虫と言えば真っ先にスズメバチが浮かびますが、ヒアリの持つ毒も大変危険な上に、小さな隙間から民家に侵入する可能性も高い為、被害に遭わないためにも対策をする必要があるでしょう。